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BULK HANDLING NEWS #1/2021

腐食性、凝縮性と能力:容易に克服できる原塩ハンドリングでの課題

全13台のSiwertellシップアンローダーのうち4台が原塩荷役用に設計され、Formosa Plastic Corporation (FPC)は、取り扱いの難しいこの貨物に対しドライバルク機器に何が必要か熟知しております。

TEXT Per Hansoon
PHOTOS Bruks Siwertell and Shutterstock

本年初頭に更に2台の640 D型アンローダーの発注を行い、Formosa Plastic Corporation(FPC)はBruks SiwertellでのSiwertell スクリュー型シップアンローダーの最も大口の顧客となりました。2台の追加によりFPCが保有するSiwertellシップアンローダーは13台となり、このレール移動型の2台の機器は台湾南部の高雄港内に設置される予定です。同社は大量の原塩貨物をこれらの機器により取り扱う予定です。

食材以外の用途

塩は化学品名では塩化ナトリウム(NaCl)と呼ばれ、単なる食材以外にも幅広い用途があります。塩から得られる塩素はプラスティック生産で鍵となる成分の一つです。電解により塩水から分離する事で得られ、世界の塩素の3分の2が典型的に4つの分類となるプラスティック生産に使用されております;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、ポリウレタン及びエポキシ樹脂の4つです。残りの3分の1のほとんどは、水処理又は医薬品に使用されております。

しかしながら、塩のハンドリングには独特の問題があります。高い腐食性があり、ドライバルクマテリアルのハンドリング、輸送及び貯蔵用機器の消耗を増加させ、機器の保守インターバル期間が短くなります。これに加え、バルク船舶の貨物艙内で結晶体の塊へ凝縮する傾向があり、荷役プロセス中に機器に掛かる負担が増え、また更に摩耗を促進させます。

Bruks Siwertellはこれらの問題を熟知しており、世界中に多くの原塩ハンドリング用のシステムを納入しております。「FPCからの要求仕様では、スクリュー型アンローダーのみが唯一検討できるシステムでした。」Bruks Siwertell ABの社長であるPer Karlssonは説明しております。「また極めて高い効率又はダストフリーでのハンドリングを志向する同社の高い要求水準に対して、Bruks Siwertellのみが唯一対応できる会社でした。」

成功の歴史

FPCとBruks Siwertellの間には長い関係があります。同社の13台の完全密閉型のSiwertellシップアンローダーのうち、9台は石炭の揚げ荷役のみに使用されており、2台が石炭及び原塩に使用され、最新の1組は高雄港の第16桟橋の新設ターミナルで原塩のみを取り扱う事となります。これら2台の原塩用アンローダーは完全に組み上げられた状態で納入され、2022年末までに稼働を開始する予定です。

機器は各々1,000 t/hの連続定格能力を持ち、最大80,000 dwtの船舶から揚げ荷役を行います。水平地震荷重の0.3 g、最大風速 70m/sに対応して設計され、25m/sまでの風速条件で通常運転する事ができます。またユニットにはFM 200型消化システムが電気、変圧ハウジング内に装備され、環境保護上の飛散ダストに関する規制と共に現地規則に対応させております。

FPCが保有するアンローダーのうち既に2台が原塩及び石炭を対象として運転されており、興味深い事例であり、またBruks Siwretellのマテリアルハンドリングでの実力を示す良い例となっております。最大180,000 dwtの船舶に対応して設計され、2,000 t/hの最大定格揚げ荷能力を持つST 790 DOB型シップアンローダー1台が2006年に、またもう1台のST 940 DOB型が2015年に納入されており、台湾のMai Liao発電プラントで稼働するSiwertellユニットを合計6台としております。

原塩及び石炭:全く異なる性質

これらのアンローダーは2つの必要条件を満たしております;原塩での問題と、研磨性又は低品質のものでは高い水分量があり粘性により取り扱いが困難となる石炭での問題を併せた複雑な問題です。これら2種の貨物間相互でのコンタミネーションを防止する事もまた、これら物資を使用する産業プロセス上で鍵となる問題です。

新規のSiwertellシステムの発注はこれらMai Liaoプラントでのアンローダーのオペレーションが根拠となったとFPCは表明しております。「我々の原塩ハンドリングに関する信頼性は、FPCが既にSiwertellシップアンローダーを原塩用に使用していた事により補完されました。」Karlssonは述べております。「これが同社が我々にアプローチした主な理由の1つです。また、我々は原塩ハンドリングにおいてスクリュー型搬送技術による成功を証明した唯一の会社です。」

原塩のハンドリングには独特の問題があります;高い腐食性があり貨物艙内で固く凝縮します。

明瞭な選択

「FPCはSiwertellアンローダーの使用に多くの経験を持っております。我々の製品がもたらす高い効率性及び低い運転費用と共に、過去に行ってきた責任負担、及び同社の要求仕様を充足させてきた歴史は重要な要素でした。」

「Siwertellシップアンローダーはドライバルクマテリアルのハンドリングでのあらゆる局面で優れた実力を発揮します。」「ヘビーデューティー型オペレーション用として設計されており、40種以上のバルクマテリアルを取り扱ってきた歴史があります。結果として、顧客からの要求に完全に適合するシステムを開発する技術的知見及びノウハウを蓄積しております。」

「ある程度までの貨物凝縮が一般的であるとしても、原塩の凝縮状態は高い掘削荷重に対する耐性が必要となり、数多くのその他システムがSiwertellアンローダーに対抗できないものとしております。」Karlssonは指摘しております。

「例えば、もし物資が固く凝縮した場合、グラブクレーンではこの状態の物資をハンドリングできる十分な掘削荷重が無く、重機を広範囲で使用する事が必要となります。これはバケットチェーンアンローダーの場合も同様です。空気式アンローダーは完全に除外され、高い掘削力が必要である以上実用的なソリューションとは全くなりません。」

対照的にSiwertellアンローダーは逆転型のインレットフィーダーを装備し、貨物の投入効率及び垂直スクリューコンベアへの充填効率が高くなります。フィーダー部は取り扱う物資での最適な荷揚げ能力を実現するために異なった設計方法を採用する事ができ、原塩はその良い例と言えます。

原塩用のSiwertellアンローダーには最適化されたインレットフィーダーが装備され、原塩の腐食環境に耐えうるのみならず、貨物艙から大容量で荷揚げするために必要な高い掘削荷重に対する耐性があります。更に機器の通路、手擦り及び電気区画は全てステンレス鋼から製作され、錆が容易に発生する事はありません。

より共に強く

ドライバルクハンドリングセクター及びセクター内で使用される異なった技術間では激しい競争があります。しかし、FPCのように長期間に渡り繰り返し発注のある顧客より、Siwertellのアンローディングシステムの利点に対する力強い評価が与えられております。事実、昨年だけでもFPC向けの2台の原塩用アンローダーのほかに、2台の石炭用アンローダー、4台のセメント用アンローダー、1台の穀物用アンローダー及び1台のクリンカー用ローダーの発注をBruks Siwertellでは受けております。これらの機器は全てSiwetellの機械式スクリュー技術を使用して設計されております。

「我々にとっては素晴らしい12箇月間でした。」「これらの発注が世界的な混乱の中で行われている事を考慮すると、これらはドライバルクハンドリングセクターの重要性及びその強靭性を示しているといえます。また本セクターでの貨物量の増加が連続して続いており、新規の投資を正当化できる証明といえます。」

「我々の最も重要な責務はオペレーターに最良の条件での成功のチャンスを与える事です。FPCはこの要件を満たせる事が我々である事を何度も証明しており、Bruks Siwertellにとっては素晴らしいプライドの根拠となります。結果として、全ての顧客が我々及びその技術に置く信頼性を正当化するため、我々は可能な全ての項目を実行する準備があります。」

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